大地くんの天気予報


…帰りの電車は、混みすぎもせず、空きすぎもせずといった感じで、俺たちは普通に座ることができた。


「…大ちゃん、今日はホントに楽しかった。どうもありがとう。それに、コレも…」


隣に座った清風が、膝の上でウサギの手を動かして見せた。


「…そのウサギ、そんなに欲しかったの?」


「うん…、母さんが、こういうの好きで、取ってあげたいなぁって思ったんだ…」


「お母さんが?…なんだ、そうだったのかぁ。…お前の母さん、この前初めて会ったけど、確かにそういうの、好きそうな感じするな…」


「うん…。でも、大ちゃんが2つも取ってくれたから、すごく嬉しい!僕もね、実はちょっと、欲しくなっちゃってたんだ…」


「そ、そうかよ…」


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