大地くんの天気予報
不適に笑う絢姉さんを見て、眉間にしわを寄せる母さん。
「絢ちゃん。エイサクさんが優しいからって、困らせるようなことのないようにね。…エイサクさんも、あんまり絢ちゃんを甘やかさないで下さいな。いくら後援会の会長さんでいらっしゃるとはいえ…」
エイサクさんは、この寿々喜流の後援会を発足し、その会長をも務めてくれている人でもあった。
だからこうして、僕のことも応援してくれている。
…絢姉さんはつまらなそうな顔をして、エイサクさんの耳元で囁いた。
「…期待してますからね、後援会長さん…」
…何のことかはよくわからなかったけれど、僕は自分の稽古の番になったので、一言ご挨拶をし、控え室を出ていった。
僕の方を見ていなくても伝わってくる、冷たい空気を背中に感じながら…。