大地くんの天気予報


不適に笑う絢姉さんを見て、眉間にしわを寄せる母さん。


「絢ちゃん。エイサクさんが優しいからって、困らせるようなことのないようにね。…エイサクさんも、あんまり絢ちゃんを甘やかさないで下さいな。いくら後援会の会長さんでいらっしゃるとはいえ…」


エイサクさんは、この寿々喜流の後援会を発足し、その会長をも務めてくれている人でもあった。


だからこうして、僕のことも応援してくれている。


…絢姉さんはつまらなそうな顔をして、エイサクさんの耳元で囁いた。


「…期待してますからね、後援会長さん…」




…何のことかはよくわからなかったけれど、僕は自分の稽古の番になったので、一言ご挨拶をし、控え室を出ていった。


僕の方を見ていなくても伝わってくる、冷たい空気を背中に感じながら…。


< 45 / 419 >

この作品をシェア

pagetop