大地くんの天気予報
「――…で?それから?…お~い、ユウ、ユ~ウ!!」
ハッとして、私は我に返った。
「…あぁ、ゴメンゴメン…」
昼食の時間。
一緒にお弁当を食べている親友のヒカリが、向かい合っている机から身を乗り出していた。
「…ユウ、最近よくボ~ッとしてるよ?何かあった?」
再び椅子にもたれながら、お弁当を口に運ぶヒカリ。
「…え、そっかな?…ううん、何もないよ」
私も自分のお弁当に意識を戻してそう言った。
「…大地くんのこと?」
「えッ…」
突然ヒカリにそう言われ、私の箸を持つ手はまたもや止まってしまった。
「図星でしょう?」
「……」
思わずうつむく私に、ヒカリは続けて言った。
「この前も、体育の時間に校庭にいる大地くんのこと、窓からボ~ッと見てた。違う?」
「な、何で知ってるの?そんなこと…」
私は自分の顔がカーッとなるのを感じた…。
「だって、私の方が後ろの席だもん。普通に見えるし」
そう言って、お弁当をパクパク食べ進めていくヒカリ…。