大地くんの天気予報
「…ねぇ、それはそうとさ」
早くもデザートのプリンに手をかけながら、ヒカリが言った。
「私、幼なじみってもんを知らないから、よくわかんないんだけどさ。…そんなに、好きになっちゃうもんなわけ?」
あくまでも陽気なヒカリの質問ではあったけれど、私の胸はチクリとした…。
「…みんながみんな、そうだとは思わないけど…。笑わないで聞いてね?…私は、小さい頃から常に大地が隣にいて…、だから、私たち二人は大きくなったら結婚するんだ、って…、当たり前のように信じ込んじゃってる自分がいたんだよね…。別に“いいなずけ”ってわけでもないのにね…、ハハハ…」
そう言って私は、恥ずかしいのを笑ってごまかした。
けれども、目の前のヒカリは真剣な目をして私を見ていた。