大地くんの天気予報
「…そ~やって、これからもごまかし続けていくつもり?…ユウとは中学からの付き合いだし、それ以前のことは私も何にも知らない。でも、だんだん成長してくにつれて、大地くんとの距離も離れていっちゃったんでしょ?」
「…うん」
「…もう、昔みたいに将来を約束されたような、王子様とお姫様みたいな関係じゃなくなっちゃった。そうでしょ?」
「……」
自分でもわかっていたけれど、わざと考えまいとしてきたことをヒカリにズバッと言われ、私はようやく現実を突き付けられたような気分になった…。
「…なら、王子様を取り戻さないと!」
「…え?」
「普通は逆だけどね。でも今の大地くん見てると、私もな~んか心配だよ。ちっともイキイキしてない感じ…。だから、ユウ姫が大地王子を助けてあげなきゃ!ネッ!?」
「…ヒカリ、なんか楽しんでない?他人事だと思って…」
「そ、そんなことないしぃ~!」
…ヒカリに言われた言葉で、私は少し、ハッとさせられたような気がした。
このまま、モヤモヤした気持ちのままでいたら、本当に大地がどこか遠くへ行ってしまうかもしれない。
それだけは、イヤだ。
気持ち、少しずつでも伝えていかなきゃいけないのかもしれないな…。
私はようやく、そんな小さな決意を心に刻んだ。