大地くんの天気予報


…そう。


今までは、子供だったからあんまり深くは考えていなかった。


けれども、こうして冷静になって考えてみると、大地も、私も、今はもう、それぞれ立派な男の子と女の子なんだ。


中学生、高校生と、少しずつ大人になるにつれ…、私の中の乙女心のようなものも、少しずつ色を増していった。


大地という一人の男の子に対する意識も、いつからか、胸がきゅんと締め付けられるような感覚に変わっていった…。




長い髪をとかす時も、爪をきれいに整える時も…、私は、心のどこかで大地のことを思い浮かべるようになっていた…。


…いつか、大地に触れてもらいたい…。


大地の触れる髪が、指が、肌が…、もしも他の誰かのものだったら…、なんて想像すると、苦しくて胸が張り裂けそうになった。


大地の隣にいるのは、私であってほしい。


そう、漠然と思い続けていた…。


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