大地くんの天気予報
2.ギャルの渋谷
大地の観察
鈴木清風がやって来た次の日、俺は一言も口をきくこともなければ、目を合わせようともしなかった。
ただ、一方的に、気付かれないように眺めていただけだった。
なぜって?
それは、自分でもよくわからない。
だけどアイツが、なぜか俺の心の中でいちいち引っ掛かるのは事実だった。
理由?
それもわからない。
ていうか、たぶん理由なんてないんだと思う。
そのことに理由をつけようものなら、俺のこの人生自体がまるで無意味のように思えるのだから、理由も何もあったもんじゃない。
逆に俺が知りたいよ、この退屈な毎日の意味を…。
…そんなことを考えながら、俺は今日も学校帰りに、公園の藤棚の下のベンチで仰向けになっていた。