大地くんの天気予報


「…お前さ」


俺は、おもむろに口を開いた。


「今までも、そうやって生きてきたんじゃね?」


「…え?」


…生きるとか、俺の言うセリフじゃねぇんだけど…。


でも、俺は自然と口をついて出てくる言葉を言い放った。


「…そうやって、自分が悪いわけでもないのに謝って、周りにばっかり気ィ遣って…」


「……」


「…俺とは正反対だな。まぁ、俺の場合は度が過ぎてんだけどな…」


そう言って、俺は少し鼻で笑った。


けどコイツは、真面目くさった顔をしたまま、少しも笑わない。


お前、こういう時こそ愛想よく笑えよ…?


「……」


< 71 / 419 >

この作品をシェア

pagetop