大地くんの天気予報


「…あれ、何?あなたたち、知らないの?」


「……」


下を向いているキヨちゃんを見て、永作先生は慌てたように小声で言った。


「…あ、ゴメン…、もしかして、みんなには内緒だった…?」


その小声すらも、オレたち三人には聞こえてしまっていた…。


するとキヨちゃんは顔を上げて、申し訳なさそうな顔をしている永作先生に言った。


「…あぁ、いいえ…!別に、内緒ってわけじゃありません。ただ、まだ誰にも話してなかったから…」


そう言って、苦笑いするキヨちゃん…。


何?どういうこと?フウカちゃんって、誰…!?


…すでにパニクる寸前のような状態のオレに、永作先生は「まぁまぁ…!」と落ち着かせるように言って、オレとキヨちゃんを美術室の中に招き入れた…。


< 95 / 419 >

この作品をシェア

pagetop