各駅停車 ~あなたに会いたくて~【短編】
3想い
それからあたしたちは、毎朝列車の中で会うたびに、話をするようになった。



あたしは涼のそばにいられるだけで、嬉しくてたまらなかった。


そしてますます彼のことが好きになっていった。



ただ惹かれるという気持ちから、あたしの気持ちは本物の恋心に発展していったのだと思う。





涼は物静かな人だけれど、心には情熱を持っている。


ある時、あたしはそれを垣間見たことがあった。




涼の夢。



それは、イルカの調教師になること。


夢を語るとき、彼の瞳はきらきらと輝いている。


あの海できらめく光のように。



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