各駅停車 ~あなたに会いたくて~【短編】
握られた手と手が離れる。


涼は手を振り、くるりと背を向けると、列車から降りた。


涼の背中が人混みに消えて行く。


列車のドアが閉まり、ゆっくりと動き出す。



涼は行ってしまった。






あたしは・・・、涼にラブレターを渡すことができなかった・・・。



最後の日だったのに・・・。


一生懸命書いたラブレターなのに・・・。



どうして・・・?


どうして渡せなかったの・・・?




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