各駅停車 ~あなたに会いたくて~【短編】
あたしの目に映るのは、青い海。


海の波に乗って、太陽の光がきらきらと踊っている。




あたしは列車に乗るときはいつも、高校に通うことしか頭になかった。


毎日があわただしくて、列車の外にはこんなにも美しい景色が広がっていることさえ、忘れていたように思う・・・。




それからあたしは、視線を窓の外の景色から、男の子の方にそっと移した。


彼は涼やかな瞳で、じっと海を見つめている。





男の子は、あたしが降りる駅の一つ手前の駅で下車した。


降りる駅からして、おそらく男子校の生徒だろう。





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