ラヴァーズセブン
博は、亜由美の誕生日に何を買っただろうか。
何を思いながら、そのプレゼントを選んだんだろうか。
あたしだって、亜由美の誕生日を祝いたいのに
そんな自分勝手な、醜い嫉妬でいっぱいいっぱいになる。
何だか情けなくて、涙がどんどんでてくる。
あたしは、どうやったらあなたの一番になれるんだろうか。
何だかたまらなく悲しくて、床にねっころがる。
フローリングがひんやりとしてて、心地が良い。
涙がツタツタ、床に流れる。
ドンドン、ドン。
耳をつけた床の奥のほうで、誰かが階段を駆け足で上る音が響く。
次の瞬間、うちのドアが、ガシャガシャとゆれた。
私は、反射的に飛び起きる。
合鍵をもっているのは、博だけだ。
「・・・・やっぱり」
ドアを開けた瞬間、
博はそうつぶやいて、顔をゆがませた。
目と目があう。
悲しそうな、博の目。
「・・・ばっかじゃねーの」
そういうのと同時に、靴のまま、博が部屋に飛び込んでくる姿がみえて
でも、もう次の瞬間には
あたしの視界は真っ暗になっていた。
抱きしめられてるんだ、
そう気が付いて、
次の瞬間に、博の息が荒いのに気が付いた。
「走ってきたの?なんで?」
「なんでじゃないよ。あんな風に言われたら心配するでしょーが」
「あたし何か変なこと言った?」
「言った」
博があたしを抱く手に、力が入る。
「かなでさん」
ああ、
やさしいテノール。
「俺には、あんただけなんだからね!」
そういって、あたしの頬っぺたを思い切り横に引き伸ばす。
まっすぐな、やさしい目。
あたしが、好きになった
もう一つの理由。
その目が、あたしをまっすぐに見てる。
とてもまっすぐに。
博は、ちゃんとあたしを見てくれてるじゃないか
「ちょ、かなでさん!?」
気が付いたら、また涙がみっともなく零れていた。
みっともないのだ、本当に。
どうして、恋をすると
こんなに格好悪くなってしまうんだろう。
一人で勝手に嫉妬して、傷ついて、ジタバタともがいて
だけど、多分それも
本当に恋をしているから、なんだ。
どんなに格好悪くなっても、涙がたくさんでても
この恋にはそれだけの価値がある。
何を思いながら、そのプレゼントを選んだんだろうか。
あたしだって、亜由美の誕生日を祝いたいのに
そんな自分勝手な、醜い嫉妬でいっぱいいっぱいになる。
何だか情けなくて、涙がどんどんでてくる。
あたしは、どうやったらあなたの一番になれるんだろうか。
何だかたまらなく悲しくて、床にねっころがる。
フローリングがひんやりとしてて、心地が良い。
涙がツタツタ、床に流れる。
ドンドン、ドン。
耳をつけた床の奥のほうで、誰かが階段を駆け足で上る音が響く。
次の瞬間、うちのドアが、ガシャガシャとゆれた。
私は、反射的に飛び起きる。
合鍵をもっているのは、博だけだ。
「・・・・やっぱり」
ドアを開けた瞬間、
博はそうつぶやいて、顔をゆがませた。
目と目があう。
悲しそうな、博の目。
「・・・ばっかじゃねーの」
そういうのと同時に、靴のまま、博が部屋に飛び込んでくる姿がみえて
でも、もう次の瞬間には
あたしの視界は真っ暗になっていた。
抱きしめられてるんだ、
そう気が付いて、
次の瞬間に、博の息が荒いのに気が付いた。
「走ってきたの?なんで?」
「なんでじゃないよ。あんな風に言われたら心配するでしょーが」
「あたし何か変なこと言った?」
「言った」
博があたしを抱く手に、力が入る。
「かなでさん」
ああ、
やさしいテノール。
「俺には、あんただけなんだからね!」
そういって、あたしの頬っぺたを思い切り横に引き伸ばす。
まっすぐな、やさしい目。
あたしが、好きになった
もう一つの理由。
その目が、あたしをまっすぐに見てる。
とてもまっすぐに。
博は、ちゃんとあたしを見てくれてるじゃないか
「ちょ、かなでさん!?」
気が付いたら、また涙がみっともなく零れていた。
みっともないのだ、本当に。
どうして、恋をすると
こんなに格好悪くなってしまうんだろう。
一人で勝手に嫉妬して、傷ついて、ジタバタともがいて
だけど、多分それも
本当に恋をしているから、なんだ。
どんなに格好悪くなっても、涙がたくさんでても
この恋にはそれだけの価値がある。