ラヴァーズセブン
「で、どういう風の吹き回し?」

亜由美の誕生日パーティは滞りなく行われた。
そしてその三日後、私は近所の居酒屋に亜由美を呼び出した。

「な、なにが?」
「だって、急に『ご馳走させて!」なんて」
「へへへ・・・」

もちろん、あのあと
あゆみの誕生日をちゃんとお祝いしたのだけれど
何となく、あゆみに申し訳ないことをした気がしたのだ。

「まぁまぁ!細かいことは気にしない!ほらのめや!」
「まぁ別に良いけど。」

あゆみは、首を軽くかしげながら持っているグラスを空にした。

「そういえば、博とはうまくいってる?ってまぁ聞くまでもないか。」

博から電話きたと思ったら、ぜーんぶあんたの話だし
あんたから電話きたと思ったら、ぜーんぶ博の話だしね

からかうようにあゆみが笑って、肩を竦めた。


私も笑いながら、
今夜はあゆみがどんなに高いものを注文しても
どーんとご馳走しなきゃなぁと思った。


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