ミッドナイトレイン
ドキドキと、一緒に
幸せでいっぱいになる
ダメだってわかっていながら、どうしようもなく幸せになる
アルコールで温まった肌が触れ合って暑い
「あと、二分だけね」
やっとのことでそう呟いて、肩にもたれる淳君の頭に、自分の頭を重ねた
淳くんが
「うん」
と小さく返す
あと二分だけ
チラと時計を見る
アルコールでぼやけた視界で小さく針がすすむ
このまま止まっちゃえば良いのに
「はい、にふーん!!!」
立ち上がって、キッチンスペースへと進む
グラスに氷をはって、ミネラルウオーターを注ぐ
アルコールと、みょうにはやく打つ心臓のせいで手元が怪しい
チラリと目をやると、淳君は寝ぼけた顔で「んー」と背伸びしている
自然にため息がでる
グラスをもって、彼のそばへと近づいた
「ほい、水」
「サンキュ」
少し酔いが覚めたのだろう、さっきよりしっかりとした口調でそう言うと、グラスを受け取って喉を鳴らして水を飲んだ
「タクシー乗り場までおくるからもうタクシーで帰んなさいよ」
「あー、俺バイクで帰るつもりだったのに」
「馬鹿言うな…」
まだ少し語尾に酔いが残っている
私は苦笑しながら淳くんから空になったグラスを受け取った
淳くんは、もう一回大きく背伸びするとゆっくりと立ち上がった
足元はやっぱりどこか覚束無い
自然と支えるように淳くんの腰に手を回した
「階段、すべるから気をつけて」
「つかなんで奏ちゃん酔っ払ってないの…」
「酔ってますよ、ただあたしまで潰れたら皆で仲良く此処で朝を迎えることになると思って」
「ごめんね」
「良いよ、楽しかった」
ゆっくりと階段を上る
どうやら雨は止んだらしい
「雨、止んだね」
「ほんとだ」
外はとても静かで、さっきケイコちゃんを送ったときよりもタクシーの台数もずっと少ない
タクシーに乗る前に、淳君はもう一度ほんとにごめんと誤った
「ちゃんと家まで帰るんだよ、ドアの前で寝んなね」
「大丈夫大丈夫。じゃぁ、おやすみ」
「うん、またね」
雨がこのまま止まなければ良かったのに
敦君がのったタクシーを目で追いながら
何故かポツンとそんなことを思った
幸せでいっぱいになる
ダメだってわかっていながら、どうしようもなく幸せになる
アルコールで温まった肌が触れ合って暑い
「あと、二分だけね」
やっとのことでそう呟いて、肩にもたれる淳君の頭に、自分の頭を重ねた
淳くんが
「うん」
と小さく返す
あと二分だけ
チラと時計を見る
アルコールでぼやけた視界で小さく針がすすむ
このまま止まっちゃえば良いのに
「はい、にふーん!!!」
立ち上がって、キッチンスペースへと進む
グラスに氷をはって、ミネラルウオーターを注ぐ
アルコールと、みょうにはやく打つ心臓のせいで手元が怪しい
チラリと目をやると、淳君は寝ぼけた顔で「んー」と背伸びしている
自然にため息がでる
グラスをもって、彼のそばへと近づいた
「ほい、水」
「サンキュ」
少し酔いが覚めたのだろう、さっきよりしっかりとした口調でそう言うと、グラスを受け取って喉を鳴らして水を飲んだ
「タクシー乗り場までおくるからもうタクシーで帰んなさいよ」
「あー、俺バイクで帰るつもりだったのに」
「馬鹿言うな…」
まだ少し語尾に酔いが残っている
私は苦笑しながら淳くんから空になったグラスを受け取った
淳くんは、もう一回大きく背伸びするとゆっくりと立ち上がった
足元はやっぱりどこか覚束無い
自然と支えるように淳くんの腰に手を回した
「階段、すべるから気をつけて」
「つかなんで奏ちゃん酔っ払ってないの…」
「酔ってますよ、ただあたしまで潰れたら皆で仲良く此処で朝を迎えることになると思って」
「ごめんね」
「良いよ、楽しかった」
ゆっくりと階段を上る
どうやら雨は止んだらしい
「雨、止んだね」
「ほんとだ」
外はとても静かで、さっきケイコちゃんを送ったときよりもタクシーの台数もずっと少ない
タクシーに乗る前に、淳君はもう一度ほんとにごめんと誤った
「ちゃんと家まで帰るんだよ、ドアの前で寝んなね」
「大丈夫大丈夫。じゃぁ、おやすみ」
「うん、またね」
雨がこのまま止まなければ良かったのに
敦君がのったタクシーを目で追いながら
何故かポツンとそんなことを思った