恋心―短編集―
「…なんで…」



「今度からこっちで、ひとり暮らしすることになったんだ。これからはずっと恵美のそばにいる」



 そっとあたしを包み込んでいく健一。



 3年間我慢していた思いが…一気に溢れ出した。



「健一…~」



「は~…。相変わらず泣き虫だな。恵美は」



 あたしの頬に伝う涙を、そっと拭う健一。
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