恋心―短編集―
 大切な人を亡くすという悲しみを知った今。



 あたしは、人生の終わりのように泣き崩れた。



 泣いても帰ってこないと知りながら。





 それから1年後。



 あたしの左手の薬指には、あなたがくれた指輪がはまってます。



 あなたが送ってくれた、最初で最後の贈り物。



 それを見るのはたやすくはなかった。
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