Second Life 〜セカンド ライフ〜
優しい兄
『さーつーきー!!』
遠くの方で声がして
顔をあげると康平がいた。
あと男が何人か…友達かな?
辺りを見渡すと
もう夕暮れどきだった。
『皐月こんなとこで
なにしてんだよ
暗くなっちまうぞ
一緒に帰るか?』
相変わらず心配症だな。
まぁただの過保護って
訳ではないんだけど。
あの事件のせいで私は
暗いところや夜が
今でも怖くてしょうがない。
康平はそのことが
わかってるから
いつも気を使ってくれる。
相変わらず優しい
康平に笑みがこぼれる。
『考え事してた。
ううん康平いまから
バイトでしょ?
もう帰るとこだから。』