幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「王に納める金の事だ」


「じゃあ、『恩賞』は?」


「王から賜る金品の事だ。領地の場合もあるが」


お金を取って、またお金を渡す?


「高い税を取れば貴族達が軍備を固める余裕が無くなり、謀反のリスクが減る。恩賞を与えれば王に依存し、顔色を伺うようになる。だが、あまり締め付けると他国の王に寝返りかねない。バランスが難しいところだな」


ホークが描き出したのは、華やかな王宮に暮らす高貴な若者ではなく、殺伐とした境遇に身を置く孤独な若い王の姿だ。


「王は寂しくないのかな」


「間違いなく孤独だろうな」

ホークは頷いた。

「権力の椅子とはそういうものだ」


「ホークも?」


「何が?」


「ホークも権力を持っているでしょ? 孤独?」

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