幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「いつまでも子供じゃないんだ」

ローズマリーのお父さんが汗を拭いながら言った。

「ショーンは忙しいんだよ」


「ごめんね。でも日曜日の午後は川へ釣りに行こうよ」

ショーンは優しく言った。


――日曜日?


「ゴメン、二人で行ってね。あたしはホークに一週間の特訓だって言われてるの」


「日曜日くらい休みだろ?」


ショーンの言葉に、あたしは首を横に振った。


「お屋敷の壁を吹き飛ばしたのよ。休み無しに決まってる」


「いい心掛けだ」


後ろから聞き慣れた声がして、あたしは慌てて振り返った。


「ホーク? 何してるの?」


「それはこっちの台詞だ。母君のお使いにいったい何時間かかるのだね?」

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