幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
ってことは、あたしの家まで行ったんだ。

今日の分の魔法特訓は終わってる。

いったい何の用事だろう?


ローズマリーのお父さんとショーンが『伯爵様』と挨拶をする。

こういう時、ホークと距離を感じてしまう。


「ローズマリー、あたしもう帰るね」

「あっ、サンディ! 篭を忘れてるわよ」


そうだった

またしてもショーンの前でそそっかしいところを見せちゃった――あーあ。


「じゃあ、その次の週は三人で野苺摘みに行こうよ」

ショーンが優しく微笑む。

ああ、素敵な笑顔!

あたしは柄にもなく、真っ赤になってうなずいた。


「それまで無事だといいな、アレクサンドラ」


ホークがボソッと言い、みんなが笑った。

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