幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
ミリーはトレーにグラスを三つと、ワインの入ったデカンタをセットした。
あたしはその横に、先代伯爵夫人の目を盗んで肉詰めのパイをナプキンに包んで滑り込ませた。
ミリーはニッと笑って、トレーを持った。
「わたしが部屋の前まで持って行きますから、サンディ様がお出しして下さい。お話の邪魔をして怒られたくはありませんから」
「あたしが出しても怒られるかもよ」
「そうですね。でも、少なくともわたしよりは怒られ慣れてるじゃないですか」
あたしは笑って、ミリーの後ろについて行った。
二階のホークの執務室の前まで行くと、ミリーはあたしにトレーを預けてドアをノックした。
少し間があって扉が開いた。
顔を出したのは、顔見知りの初老の男だった。
「こんばんは、マクリーン卿」
赤毛の巨漢、ダニエル·マクリーンは、先代伯爵の頃から仕えている騎士だ。
革の防具をつけたままの旅装束で、どこもかしこも土埃で汚れていた。
「おいホーク、女神がいるぞ」
あたしはその横に、先代伯爵夫人の目を盗んで肉詰めのパイをナプキンに包んで滑り込ませた。
ミリーはニッと笑って、トレーを持った。
「わたしが部屋の前まで持って行きますから、サンディ様がお出しして下さい。お話の邪魔をして怒られたくはありませんから」
「あたしが出しても怒られるかもよ」
「そうですね。でも、少なくともわたしよりは怒られ慣れてるじゃないですか」
あたしは笑って、ミリーの後ろについて行った。
二階のホークの執務室の前まで行くと、ミリーはあたしにトレーを預けてドアをノックした。
少し間があって扉が開いた。
顔を出したのは、顔見知りの初老の男だった。
「こんばんは、マクリーン卿」
赤毛の巨漢、ダニエル·マクリーンは、先代伯爵の頃から仕えている騎士だ。
革の防具をつけたままの旅装束で、どこもかしこも土埃で汚れていた。
「おいホーク、女神がいるぞ」