幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「老いがついに目に来たのか、マクリーン?」

部屋の中からホークの声がした。

「入りなさい、アレクサンドラ」


あたしはトレーを持って中に入った。

マクリーンがドアを閉める。

部屋の中にはもう一人金髪の騎士がいて、軽くあたしに礼をした。

見たことはない。

こちらもマクリーン同様、埃まみれだ。

ホークよりも少し年上だろうか、整った顔立ちだけれど、青い瞳は怖いほど鋭い。


「彼はアーサー·リー。腕利きの騎士だ」

ホークはそう言うと、あたしの手からトレーを取り上げた。

「なるほど、これを持っていたなら女神に見えたな、マクリーン」


「奥方様がお出しするようにと」


「おいおい、サンディ嬢ちゃん。ビビアン様が間違ってもそんな事言うもんか」

マクリーンはゲラゲラと笑った。

「それとも俺の知らないうちに気の利いた奥方を貰ったのか、ホーク?」


「まだだ」

ホークはグラスにワインを注いだ。

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