幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
ローズマリーの家を出て、あたしとホークは村の道を並んで歩いた。

ホークはアルス村に来る時は、いつも村外れにある家に馬を預ける。


「で、何の用だったの?」


あたしがそう言うと、ホークは顔をしかめた。


「用がなければ、お前を訪ねてはいけないのか?」


「そうじゃないけど……」

あたしは戸惑いながら言った。

「ホークはいつも忙しいから」


「そうだな。もう少し余裕があれば、昨日もお前の様子を見ていてやれたのだが――すまなかったな」


あたしは驚いてホークを見上げた。


「謝るくらいなら、どうしてあんなに怒ったの?」


「度量が小さいからだろうな」

ホークは自嘲気味に笑った。

「お前に怪我をさせたかと思って胆を冷やしたぞ」

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