幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「変じゃない?」

あたしは顔を合わせるなり、ホークに早口で聞いた。


「変ではないよ、べっぴんさん」

ホークはからかうように言って、あたしの両頬にキスをした。

「どう見ても立派な春の女神だ。わたしに豊かな実りを約束してくれ」


「いいよ」


あたしが笑って言うと、ホークは不意に真顔になった。


「その言葉を忘れないでおくれ」

「何? 急に」

「げん担ぎだ」

「ふうん」


ああ、でも本当に落ち着かない。


ホークと一緒にアルス村へ行っても、自意識過剰になってしまって、会う人会う人、みんなにジロジロと見られている気がした。

ホークといるのが間違いなのかも。

広場の外れにいれば目立たないに違いない。


「ホーク」

袖を軽く引っ張ると、ホークがあたしの口元に耳を寄せた。

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