幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
アナは五月祭だっていうのに、普段着のままだ。
髪だけはきちんと三つ編みになっていて、野の花を編んだ花冠が載っている。
「素敵な花冠ね」
あたしが言うと、アナはニコッと笑った。
「ちぃ兄ちゃんが作ってくれたの」
「お兄ちゃんはどこ?」
「家。おばあちゃんの看病をしてるんだよ」
「ねえ、様子を見に行った方がいいと思わない?」
ローズマリーが気遣わしげに言った。
「そうね」
「僕も行くよ」
ショーンが言った。
あたし達はアナを連れて、祭の喧騒を離れた。
「あそこのおばあちゃんも年だからなぁ……」
ローズマリーが小声で言った。
「あの子達、他に身内はいないんだよね?」
あたしは、ショーンと手を繋いで歩くアナに目をやった。
髪だけはきちんと三つ編みになっていて、野の花を編んだ花冠が載っている。
「素敵な花冠ね」
あたしが言うと、アナはニコッと笑った。
「ちぃ兄ちゃんが作ってくれたの」
「お兄ちゃんはどこ?」
「家。おばあちゃんの看病をしてるんだよ」
「ねえ、様子を見に行った方がいいと思わない?」
ローズマリーが気遣わしげに言った。
「そうね」
「僕も行くよ」
ショーンが言った。
あたし達はアナを連れて、祭の喧騒を離れた。
「あそこのおばあちゃんも年だからなぁ……」
ローズマリーが小声で言った。
「あの子達、他に身内はいないんだよね?」
あたしは、ショーンと手を繋いで歩くアナに目をやった。