幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「どれ、見せて」

ショーンがフィンを下がらせた。

「古くて建て付けが悪くなっているんだな」


「おばあちゃんは来ちゃダメって言ったんだけど、具合が悪そうだったし」

フィンが半ベソで言った。


具合の悪い老女が、この渋い扉の開け閉めをした?

あたしは、違和感を覚えた。


「おばあちゃんは具合が悪かったのよね?」


あたしの問いに、フィンは頷いた。


「朝からずっと吐いてた。なのに起きて納屋の中に入ったきり出て来ないんだ。僕とアナには、蛇が出るから納屋の戸を開けちゃダメって言ってたのに」


蛇――?


「ショーン! 扉を開けないで!」


あたしの声に、ショーンが手を止めた。


「サンディ? どうした?」

「開けないで。ホークを呼んで来る。それまで開けないで」

「分かった」


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