幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「どっちの足?」
「左」
くるぶしの少し上に二つの歯形があった。
傷口は、黒く腫れ始めているようだった。
「毒の回りを抑えなきゃ――ローズマリー、指を二本出して。あんたの髪のリボン、使うわよ」
あたしはローズマリーの指の上からリボンを回し、傷口の少し上をきつめに縛った。
それから指を抜かせて、リボンを確かめた。
このくらいの強さでいいんだろうか?
ああ、お姉ちゃんが教えてくれた時、もっと真剣に聞いておくんだった。
ジャルグが寄って来る蛇を、炎の息で撃退し続けている。
あたしはローズマリーの背後に回り、両脇を抱え上げた。
「いい? 引きずって行くわよ。痛くない方の足で地面を蹴って」
あたし達の動きは、もどかしいほどゆっくりだった。
納屋の奥から、また悲鳴が聞こえる。
「サンディ……」
「左」
くるぶしの少し上に二つの歯形があった。
傷口は、黒く腫れ始めているようだった。
「毒の回りを抑えなきゃ――ローズマリー、指を二本出して。あんたの髪のリボン、使うわよ」
あたしはローズマリーの指の上からリボンを回し、傷口の少し上をきつめに縛った。
それから指を抜かせて、リボンを確かめた。
このくらいの強さでいいんだろうか?
ああ、お姉ちゃんが教えてくれた時、もっと真剣に聞いておくんだった。
ジャルグが寄って来る蛇を、炎の息で撃退し続けている。
あたしはローズマリーの背後に回り、両脇を抱え上げた。
「いい? 引きずって行くわよ。痛くない方の足で地面を蹴って」
あたし達の動きは、もどかしいほどゆっくりだった。
納屋の奥から、また悲鳴が聞こえる。
「サンディ……」