幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「そうだな」

ホークはうなずいた。

「見目もよいし、働き者で優しい男だ」


「でしょ?」

「できれば嫁になりたい?」

「もちろん!」

「ショーンが平民でもいいのだな?」


あたしは笑った。


「あたしの家はそんなに高い身分じゃないよ」

「お前の父君は、高名な魔導士だった。ちゃんと領地も持っていた。エリザが男子だったら、あるいは婿を取れるくらいの年齢であったら家督を継げたはずだ」

「そうなの?」


初耳だ。


「パパの領地はどうなったの?」

「父君の従弟が相続した」

「じゃあ、あたしの本当の後見人はその人?」

「いいや、わたしだ」


そんなの変じゃないのかな?

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