幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
疲れきっていた。

でも、眠れない。

時折、浅い眠りが訪れては、悪夢で目が覚めるという事の繰り返しだった。


「アレクサンドラ」


名前を呼ばれて目を開けると、ホークがあたしの顔を覗き込んでいた。


「何か食べるか?」


あたしは頭を振って起き上がった。


「お水だけちょうだい」


ホークは水差しから水を注ぐと、グラスをあたしの手に握らせた。


カラカラの喉に水が染み込んでいく。


「ホーク」

「何だ?」

「ユニコーンの角って手に入る? ユニコーンの角はあらゆる毒の解毒剤だって、前にお姉ちゃんが言ってた」


ホークは口元をギュッと引き締めた。


「アレクサンドラ、世の中に出回っている<ユニコーンの角>なる物は、まがい物ばかりだ。ローズマリーの目には効かぬぞ」

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