幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「そうなの?」
「元々ユニコーンの召喚呪文は王家の秘術だった」
「王家の秘術だった? 今は?」
「今は――内乱の果てに、ユニコーンの召喚呪文を記した書物は、全て焼失してしまった。呪文を覚えている者もいない」
あたしはベッドの上で、膝を抱えて泣いた。
「あたしのせいだ」
ホークが、あたしの手からグラスを取り上げた。
それからベッドの横が沈んで、大きな手があたしの肩を抱いた。
「お前のせいではなかろう?」
「ううん。あ……あたし、ホークを呼びに行こうとしたの。分かっていたはずなのに、ローズマリーが正義感が強くて頑固だって知っていたはずなのに、あの子を納屋の前で待たせようとした。判断を誤った」
「誰でもそのくらいの間違いは犯す。ローズマリーも判断を誤った。お前の言うことを聞くべきだった」
あたしはそれでも、泣くのを止められなかった。
顎に手がかけられ、あたしは顔を上げさせられた。
目を上げると、厳しい顔をしたホークと目が合った。
「元々ユニコーンの召喚呪文は王家の秘術だった」
「王家の秘術だった? 今は?」
「今は――内乱の果てに、ユニコーンの召喚呪文を記した書物は、全て焼失してしまった。呪文を覚えている者もいない」
あたしはベッドの上で、膝を抱えて泣いた。
「あたしのせいだ」
ホークが、あたしの手からグラスを取り上げた。
それからベッドの横が沈んで、大きな手があたしの肩を抱いた。
「お前のせいではなかろう?」
「ううん。あ……あたし、ホークを呼びに行こうとしたの。分かっていたはずなのに、ローズマリーが正義感が強くて頑固だって知っていたはずなのに、あの子を納屋の前で待たせようとした。判断を誤った」
「誰でもそのくらいの間違いは犯す。ローズマリーも判断を誤った。お前の言うことを聞くべきだった」
あたしはそれでも、泣くのを止められなかった。
顎に手がかけられ、あたしは顔を上げさせられた。
目を上げると、厳しい顔をしたホークと目が合った。