幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「アレクサンドラ、開けてくれ」


鍵をかけているわけでもなかったし、手を休めたくなかったので、あたしは座ったまま答えた。


「ホーク? 何?」


「ここを開けてくれ。まだ怒っているのか?」


怒っている?

まあ少しは。

だって、頭ごなしに叱り付けて、あたしの話を聞いてくれないんだもの。


「修道院入りの他なら、何でも言うことを聞くから」


あたしはため息をついた。


「帰って。あたしの話をちゃんと聞く気になったらまた来て」


ホークは珍しく強い口調で悪態をついた。


でも、ドアは開けなかった。


そして、もう戻っては来てくれなかった。


あたしは一人で頑張らなきゃならなくなった。

ホークなしで……

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