幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「乗れ。送って行く」

「乗馬服じゃないんだけど」


まあ、いいか


「横乗りで――」

と、何かを言いかけたホークにあたしは持っていた篭を押し付け、スカートの裾をたくし上げて馬に乗った。

脚が膝の少し上までむきだしになってしまった。

ここからあたしの家までは、伯爵家の者以外が通りかかる事は少ない。

でも、さすがにこれはまずいだろう。


「ホーク、裾を引っ張ってくれない?」


ホークは呆れたように頭を振ると、篭をあたしに手渡した。

それから、あたしのスカートの裾を引っ張って見苦しくない程度まで脚を覆い、あたしの後ろに乗った。


「恥じらいというものはどこにあるんだ?」

ホークの声が後ろからそう言う。


「だって、ホークしかいないじゃない」

子供の頃からよく知っているホークしか。

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