幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
あたしが勝手に旅立っても、ホークは傷つきはしないだろう。
カンカンに怒るかもしれないけれど。
ホークを嫌って家出をしたとだけは思われたくない。
あたしは机の端に腰掛けて、以前と変わらないように他愛もない話をした。
「魔法修業はもうちょっと待って」
そうね……あたしが帰って来るまで。
「では、当分村の大工は暇だな。何か別の仕事を与えなければ」
あたしは笑ってホークの肩を小突いた。
「さてと、すっかり仕事の邪魔をしちゃった。もう行くね」
「アレクサンドラ」
執務室を出て行きかけたあたしを、ホークが呼び止めた。
「何?」
「また来い」
あたしは答えずに、片手を振って部屋を出て、閉じたドアにもたれ掛かった。
いつかまたね、ホーク。
カンカンに怒るかもしれないけれど。
ホークを嫌って家出をしたとだけは思われたくない。
あたしは机の端に腰掛けて、以前と変わらないように他愛もない話をした。
「魔法修業はもうちょっと待って」
そうね……あたしが帰って来るまで。
「では、当分村の大工は暇だな。何か別の仕事を与えなければ」
あたしは笑ってホークの肩を小突いた。
「さてと、すっかり仕事の邪魔をしちゃった。もう行くね」
「アレクサンドラ」
執務室を出て行きかけたあたしを、ホークが呼び止めた。
「何?」
「また来い」
あたしは答えずに、片手を振って部屋を出て、閉じたドアにもたれ掛かった。
いつかまたね、ホーク。