幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
魔法の馬は海を駆け、島の岸に着いた。
見たところ、そこが唯一の島への入口のようだ。
平たい石を敷き詰めた長い坂が、折れ曲がりながらずっと上へと続いていた。
坂を上り詰めると、少し開けた場所に出た。
その向こうは背の高い城壁が張り巡らされていて、正面に大きな鉄の二枚扉があった。
まるで異界へと続く<扉>のようだ。
あたしはエーンバルから下りて、異界へ帰した。
さてと、ここからどうしよう。
「どこか忍び込める場所はあるかな?」
あたしは、城壁に触れながら言った。
木登りなら得意だけど、城壁の上まで行ける木となると……
――正々堂々と正面から行こうぜ
ジャルグはあたしの肩から滑り下りると、門扉の下の隙間から、中に入って行った。
程なく中から、閂(かんぬき)を引き抜く重く軋むような音がした。
試しに両手で扉を押してみる。
ギギギッと、扉が少し内側に開いた。
見たところ、そこが唯一の島への入口のようだ。
平たい石を敷き詰めた長い坂が、折れ曲がりながらずっと上へと続いていた。
坂を上り詰めると、少し開けた場所に出た。
その向こうは背の高い城壁が張り巡らされていて、正面に大きな鉄の二枚扉があった。
まるで異界へと続く<扉>のようだ。
あたしはエーンバルから下りて、異界へ帰した。
さてと、ここからどうしよう。
「どこか忍び込める場所はあるかな?」
あたしは、城壁に触れながら言った。
木登りなら得意だけど、城壁の上まで行ける木となると……
――正々堂々と正面から行こうぜ
ジャルグはあたしの肩から滑り下りると、門扉の下の隙間から、中に入って行った。
程なく中から、閂(かんぬき)を引き抜く重く軋むような音がした。
試しに両手で扉を押してみる。
ギギギッと、扉が少し内側に開いた。