幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
近くでウロウロとしていたあたしも、同類だと勘違いされたようだ。

修道女は、あたし達を門の近くに建っている石造りの小さな建物へと連れて行った。


「もう皆さん眠っていますから静かにね」

修道女が小声で言う。

「明日は奥の院に入れます。早朝に迎えに来ますからね。あなた達も眠らないと体が持ちませんよ」


あたしの横で、少女が鼻をぐずつかせながら頷いた。


取りあえず今夜のところは、疑われる事はないだろう。


――呆れるほど強運の持ち主だな


いつの間にかついて来たジャルグが、あたしの肩に這い上がりながら言った。


「明日はもっと運が要るわ」

あたしは囁いた。





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