幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
自分が、どんどん意地悪になりそうな気がした。


「どんな綺麗な髪でも、ここではベールを被るから一緒ですよ」

尼僧が言った。


あたし達のような見習いは、修練女と呼ばれる。

髪を全部覆うベールの色は白。

修道女になると黒いベールになる。


三人は、身仕度をする間も黙っていなかった。

一人はずっとメソメソ泣き続け

もう一人は服が地味だと不満たらたら

最後の一人は自分がいかに不運か並べたてている。


あたしはげんなりとしてため息をついたけれど、尼僧は顔色一つ変えずに、三人を急かした。

さすが神様に仕える身、人間ができている。


「朝食は?」

グズグズ娘が聞いた。


「礼拝と院長様へのご挨拶が済んでからです」


うーん……それはあたしも、少しつらいかも

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