幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「ホークの知り合い?」

「おそらくな」


ホークはゆっくりと馬を進めた


蹄の音が聞こえたのだろうか、列のしんがりにいた男が振り返った。

男は馬首を巡らせてこっちを向くと、

「アルス伯のご家中か?」

と、聞く。


ホークは馬を止めて、『そのアルス伯、本人だ』と皮肉っぽく言った。


「失礼いたしました!」

男は馬上で居住まいを正した。

「わたくし共は王の――」


男が言い終わらないうちに、列の中央にいた青いマントの人物が男の横をすり抜けて、あたし達の方に馬を寄せた。


「イアン、お久しぶりね」

そう言ってその人はフードを外した。

若い女性だ。

芝居がかった仕草だけれど、フードからこぼれ落ちた黄金色の髪を見たら、仕方ないかもと思った。

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