幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
食事の後、今度はちゃんと尼僧に連れられて、あたしは瑠璃宮への入口を通った。

あの大きなタペストリーの前を過ぎ、さらに奥へと案内される。

白と青に彩られた建物は、まるで海の中の王宮のようだった。

間もなく廊下は途切れ、大きな扉の前にあたし達は立った。


ドキッとした。


扉には閂を差し込むための大きな金具がついていた。

この先の部屋は、牢獄にもなりえる場所なのだ。


尼僧はノックしてから、扉を開いた。


「イヴェイン様、お側に上がる者、二名でございます」


「ご苦労」

中から凛とした声が答えた。

「二人を置いてお下がりなさい。夕べの祈りの前に迎えに来るように」


あたしとジェニスタは、室内に押し込まれた。

後ろでドアが閉まる。

幸いにも、外から錠をかけられてはいないようだった。

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