幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
ユニコーンのタペストリーが、ついにできた。
「これを持って帰るわ。でもね、上手く出来たかどうか試してみたいの」
――外でやれよ。ユニコーンは、暴れると厄介な奴だから
「脅さないでよ」
――何事も、不測の事態に備えなきゃな
あたしはジャルグを連れて中庭に出た。
いつもなら、まだ機織りをしている時間だ。
今なら、誰もあたしを捜さないだろう。
――木を背中にして立つといい。あいつが突進してきたら、木の陰に隠れろ
「猪じゃないのよ」
――ユニコーンは見た目よりずっと狂暴だぜ。ところで嬢ちゃんは処女だろうな。
「当たり前でしょ。そうじゃなきゃユニコーンを召喚しようなんて思わないよ」
ユニコーンは人間を嫌うという。
例外は未婚の若い女性で、近寄って来たところで撫でてやればおとなしくなるらしい。
「これを持って帰るわ。でもね、上手く出来たかどうか試してみたいの」
――外でやれよ。ユニコーンは、暴れると厄介な奴だから
「脅さないでよ」
――何事も、不測の事態に備えなきゃな
あたしはジャルグを連れて中庭に出た。
いつもなら、まだ機織りをしている時間だ。
今なら、誰もあたしを捜さないだろう。
――木を背中にして立つといい。あいつが突進してきたら、木の陰に隠れろ
「猪じゃないのよ」
――ユニコーンは見た目よりずっと狂暴だぜ。ところで嬢ちゃんは処女だろうな。
「当たり前でしょ。そうじゃなきゃユニコーンを召喚しようなんて思わないよ」
ユニコーンは人間を嫌うという。
例外は未婚の若い女性で、近寄って来たところで撫でてやればおとなしくなるらしい。