幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
あくまで『らしい』だけれど。


何年も、ひょっとしたら何十年も召喚されていない幻獣だ。

言い伝えが本当かどうか、分かったものじゃない。


あたしはジャルグの忠告通り、大きな木の幹を背にして立った。


近くに人はいない。


織り上げたタペストリーを広げ、深呼吸をひとつ。





「開け異界の門よ

 光と共に我が下へ来たれ 癒しの力よ

 魔術の神、異界の主、偉大なるトーンの名において我召喚す

 いでよユニコーン

 罪なき者の守護者よ」





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