幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
そのままあたしの家まで馬を駆けると、ホークはヒラリと地面に降り立った。

そして、あたしに手を差し出して篭を受け取る。

空手になったあたしも身軽に馬から降り立った。

またずり上がったスカートの裾を、今度は自分で直す。

パンパンッと音を立てて埃を掃って顔を上げると、ホークの金色の目と視線が合った。


「何?」


「いや、きれいな脚だと思ってね」

ホークは皮肉っぽい笑みを浮かべた。

「いつまでも子供ではないのだな。今度ショーンに会う時は、その脚を見せてやるといい。ローズマリーに勝てるやもしれん」


「お、お、大きなお世話よっ!」


赤くなって噛み付くあたしに、ホークは笑って篭を押し付けた。


「ではまた明日。いつもの時間に」


「えっ? だって――」


「客が来ても特訓は消えぬぞ」

ホークはそう言って馬に飛び乗った。

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