幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
どう見ても物騒極まりない。

もう戦は始まってるのだろうか。


「アレクサンドラはどこです?」

「その前に内門の外に出て下さい、伯爵様」


ホークと押し問答をしているのは、修道院長だった。


「彼女が来たらすぐに出ます」

「このような狼藉は前代未聞です!」

「仕方がないでしょう? 外側の庭はドラゴンで降りるには狭すぎる」

「そういう問題ではありません!」


あたしは上を見上げてため息をついた。


ホークったら!

言い出したらきかないんだから!


「ホーク!」

あたしが呼ぶと、ホークは顔を上げた。


「アレクサンドラ! 無事か?」

「うん」

「何があった?」

「王妃様が王宮に連れて行かれた」

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