幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「ショーンと遊びに行くなよ」


あたしは篭を持ったまま、ホークを見送った。


あれ?

結局、ホークの用事って何だったんだろう?

まっいいか

明日も会える訳だし


あたしはクルッと後ろを向いて、母の待つ家へと帰った。


「ただいまぁ」

「お帰りなさい」


優しい声と、おいしそうな匂いが奥の方から漂って来る。

あたしはキッチンへ入ると、テーブルの上に篭を置いた。

かまどの前にいた母が振り返る。


「卵とハーブとチーズだよ」

あたしは、篭にかけた布をめくりながら母に言った。


「ありがとう。ずいぶん遅かったのね」

「ローズマリーの所に寄ったから」

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