幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
ジャルグは身震いすると、でかい牡猫ほどに大きくなった。
――壁沿いに連れて来る。準備しとけ
ジャルグは音もたてず、床の上を滑るようにヒュドラに向かって走って行った。
「サンディ嬢ちゃん! 無茶するな!」
あたしは、引き止めようとするマクリーンの腕に王妃様を押し付けた。
「マクリーン卿、王妃様をお願い」
ジャルグはヒュドラの後ろ側に回り込み、炎の息を吐いた。
大蛇の尾先が焦げたらしい。
ヒュドラは喉元でギーっと軋むような音をたてて、七つの首を激しく振り回した。
ヒュドラを押さえ付けようとしていた男達は、振り払われてしまった。
「さあ、おいで」
あたしは<扉>が織られた布を手に、誰もいない壁の方を向いて待った。
ジャルグが壁と平行に走って来た。
その後ろを怒り狂ったヒュドラが追いかけて来る。
――壁沿いに連れて来る。準備しとけ
ジャルグは音もたてず、床の上を滑るようにヒュドラに向かって走って行った。
「サンディ嬢ちゃん! 無茶するな!」
あたしは、引き止めようとするマクリーンの腕に王妃様を押し付けた。
「マクリーン卿、王妃様をお願い」
ジャルグはヒュドラの後ろ側に回り込み、炎の息を吐いた。
大蛇の尾先が焦げたらしい。
ヒュドラは喉元でギーっと軋むような音をたてて、七つの首を激しく振り回した。
ヒュドラを押さえ付けようとしていた男達は、振り払われてしまった。
「さあ、おいで」
あたしは<扉>が織られた布を手に、誰もいない壁の方を向いて待った。
ジャルグが壁と平行に走って来た。
その後ろを怒り狂ったヒュドラが追いかけて来る。