幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
巨大なエネルギーの塊がヒュドラを目掛けて放たれた。

次の瞬間、物凄い爆音がして、もうもうと土埃が上がった。

あたしは爆風で後ろに吹っ飛び、床に倒れる前に後ろから支えられた。


土埃を透かして、<謁見の間>の壁に減り込んだヒュドラの体が見えた。

今回は、首を全部吹き飛ばせたみたいだ。


「王宮を吹っ飛ばしちゃった」

あたしは笑って言った。

「修繕費を請求されたらどうしよう」


「わたしが払うしかないだろうな」

耳元でホークの声がした。


――いっそ全部燃やして、今のうちに証拠を消すかい?

ジャルグはあたしの足元にいる。


ホーク?


あたしは肩越しに後ろを振り向いた。

あたしの体を抱き止めてくれていたのは、ホークだった。


「もう一匹は?」


「あと一本で、首は全て落ちる」

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