幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~

 4

王宮での騒ぎも落ち着いて、アルス村に帰る日が来た。


帰り際に、結婚式の日取りを王様に聞かれたホークが、

「万聖節に」

と答えた時にはひっくり返りそうになった。


聞いてないよっ!

それ、今年の万聖節?

来年?


あたしが驚いてるのが分かってるはずなのに、ホークは無言であたしをドラゴンの背に乗せた。


馬だったらよかったのに。

ドラゴンの背中じゃ話もできない。


ドラゴンのいいところは、ものすごく速い事。

その代わり、乗り手は騎馬より疲れる。

ホークは何度か、休憩を取りに地上に降りた。

たぶん、あたしのため。

ホーク一人なら、一気にアルス村に帰れるんじゃないかと思う。


二度目の休憩の時、あたしは我慢できずに『万聖節って今年の?』と聞いた。

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