幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
あたしは、座っていた草の上から立ち上がって、ホークに近寄り、腕に手をかけた。


「じゃあ、どうしてあたしの恋人になりたいなんて言ったの?」


「なりたかったからだ」


ホークがあたしを抱きしめた。

痛いほど固く抱きしめた。


「もっと早くに許婚者だと言っていたら、お前は黙って妻になってくれただろう。だが、わたしはお前の恋人になりたかった。それは馬鹿げた望みだろうか?」


あたしはホークの胸に抱かれたまま、首を横に振った。


「お前がショーンを見るような目で、お前に見られたかった。それは贅沢な望みか?」


「そんなことない」

あたしはホークの胸に向かって言った。

「愛してるよ、ホーク」


顎に指がかかり、上を向かされた。

ホークの金色の瞳が、真剣な光をたたえてあたしを見ていた。


「もう一度言ってくれ」

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