幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
ホークはテーブルのあるほうへ歩いて行った。

あたしは小走りでホークの後をついて行く。

歩幅が違いすぎて、いつもこうだ。

それでも子供の頃は、転んで泣けば立ち止まってもらえた。

あの頃はよかったな……


「どうした?」


気がつくと、ホークがテーブルの脇に立って、あたしを見ていた。

あたしはちょっとばかりボウッとしていたらしい。


「なんでもない」


ホークが疑わしげに眉を上げる。


「あのね……子供の頃の事を思い出してただけ」

「何を?」

「ホークの後を追っかけて、転んで泣いたら振り向いてもらえたなって」

「ああ――そういえば、お前はよく嘘泣きをしたな」

「えっ! あれ、ばれてたの?」

「もちろん」

ホークはフッと微笑んだ。

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