幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
「たまには嘘泣きでもしてみろ。抱っこして慰めてやるぞ」


冗談とも本気ともとれない言葉に、あたしは戸惑った。


「まあいい。ここに座れ」


ホークが引いてくれた椅子に座る。

ホークは、テーブルの上に積み上げてある本の中から、一冊を取り出して広げた。

羊皮紙とインクの匂いが漂う。

ホークが開いたページには、極彩色の絵が描かれていた。

どうやら緑の森の絵のようだ。


「本に顔を寄せて絵に集中しろ」

「なんで?」

「いいから」


あたしはため息をついてから、言われた通りにした。


「そのまま視線を同じ所に据えたまま、少しずつ離れろ」


何、それ?


でも、程なくあたしの目に飛び込んで来たのは――

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